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これは、なに?
「ここ以外の学校も含めると、日本のトレンドに挙げられていますね。一体何が起きているんですかね」
「これが原因かもしれないです」
西垣が何かを見つけたらしく、メンバーにあるサイトを見せた。そこには『みんなで学校を困らせよう』というサイト名が掲げられており、そこにはどうやったら学校を休校にできるのか、教師に報復できるのかなどが、いろいろな人から提案がされていた。あくまでもサイト内での討論であり、現実に起こっていない。しかし、このサイトから飛び火したのか、今ではSNS上でも話題になっている。
「ただの書き込みで終われば良いですが、犯行に及ぶことがあれば未然に防がないと」
北柴は冷静にサイトとまとめた結果を見比べている。
「犯罪予告として全てを取り扱うか……。判断しかねるようなものばかりですね」
実咲は困ったように一つ一つの内容を見ていく。ふざけたようなものから、本物の予告なのではないのかと思わせるようなものまである。
「まずは具体的に日にちと場所、名前が書かれているものから当たろう」
「そうすると、この三件ですね」
西垣がマーカーでチェックを入れる。そこには具体的な日付と場所または名前が書かれていた。
「これは、どうしますか?」
実咲が示したのは、日付も場所も名前も書かれていない、暗号のような内容の書き込みだった。
「それも調べたいところだが、何を言いたいのかさっぱりだ」
東海林は困った顔をしたまま、実咲が示した書き込みを見ている。
『TELL ECK LEE PAH MIKE ECK. TELL IN MIKE. DELL AL YANG 26 SR23』
「英文にも見えるし、暗号のようにも見える。この書き込みは、実咲と北柴が読み解いてくれ。俺と西垣はこの三件を当たろう」
実咲と北柴は東海林から指示された通り、謎の英文を読み解くことにした。東海林と西垣は警視庁のサイバー班に協力を依頼するらしく、連絡を取っている。
「この英文の意味から調べますか?」
「英文に何らかの意味があるのか、ないのか。それを起点にすべきか。そこから考えないと」
北柴は冷静に事実を見極めようとしている。実咲は考えている時間でさえも、もどかしさを感じてしまう。
「北柴さん、とにかく調べましょう。もしかしたら数時間後の話かもしれないですよ」
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