02. 理由

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そして年が明け、運命の大学受験が始まった。 一次試験では僕も純玲も 目安となる志望大学の平均点には 何とか及第点に達していて このまま二次試験を迎えることになった。 そして1月末から自由登校となり 今月も近くの席だった純玲と話す機会は めっきり減ってしまう…はずだったのだが 最近、この時間… 金曜日の深夜1時過ぎになると ー 起きてる? 必ず純玲からが連絡が来る。 ー 起きてるよ ー 今からテレビ観る? ー 録画してるから明日 ー そうなんだ? 純玲は知っていた 僕がロック系のバンドだけではなく アイドルも好きなことを。 実は地元で開催されたあるグループの握手会にも こっそり行ったことがある。 そして純玲もまた、アイドルヲタクだった。 だから深夜、アイドルが出演する番組を 「観てる?」と連絡してきたのだろう。 そう、あの日を境に僕たちはをSNSを介して こうして時々やり取りをするようになっていた。 もう"カップル"と言われても 何ら違和感はない関係、 それでもまだ僕たちは お互い「付き合おう」とも言わず 付き合っている、と言う感覚も 持ち合わせていない 友達のまま… 少なくとも僕自身はそうだった。
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