6人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
そして年が明け、運命の大学受験が始まった。
一次試験では僕も純玲も
目安となる志望大学の平均点には
何とか及第点に達していて
このまま二次試験を迎えることになった。
そして1月末から自由登校となり
今月も近くの席だった純玲と話す機会は
めっきり減ってしまう…はずだったのだが
最近、この時間…
金曜日の深夜1時過ぎになると
ー 起きてる?
必ず純玲からが連絡が来る。
ー 起きてるよ
ー 今からテレビ観る?
ー 録画してるから明日
ー そうなんだ?
純玲は知っていた
僕がロック系のバンドだけではなく
アイドルも好きなことを。
実は地元で開催されたあるグループの握手会にも
こっそり行ったことがある。
そして純玲もまた、アイドルヲタクだった。
だから深夜、アイドルが出演する番組を
「観てる?」と連絡してきたのだろう。
そう、あの日を境に僕たちはをSNSを介して
こうして時々やり取りをするようになっていた。
もう"カップル"と言われても
何ら違和感はない関係、
それでもまだ僕たちは
お互い「付き合おう」とも言わず
付き合っている、と言う感覚も
持ち合わせていない
友達のまま…
少なくとも僕自身はそうだった。
最初のコメントを投稿しよう!