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研修所は山の上
よいち氏が幽霊を見たのは、20代半ばのこと。
会社の同期約20名と、山間にある研修施設へ泊まりに行っていた時のことだ。
一人につき、一部屋だったというから、施設は思いっきりバブルの名残であろう。
今からぴいよぴよぴよ昔のことなのである。
部屋には勉強机、一人用のクローゼット、ベッド、書棚しかなかった。
いわゆるユニットバス的なもの、トイレ、風呂は未設置だ。
地上波/BSのアンテナジャックはあるが、陰極管のテレヴィジョンはない。
電話は研修所の玄関口に公衆電話が10台ほど。
しかもテレホンカードが使えないタイプであった。
研修が終わって飲み会のない日などは、やる事がない。
夕食後は大浴場で、どばっ! と丸裸になって、ひとっ風呂浴びる。
あとはもう、寝るしかない状態であった。
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註釈:
※1
男女雇用機会均等法はあったが、努力規定であった。
つまり宿泊施設は野郎の使用しか、考えられていなかったのである。
※2
まだ携帯電話が平野ノラだった時代で、個人の持ち物ではなかった。
100円硬貨を電話機の上に積み上げて、電話をかけたものだ。
外部からの電話は、施設長が館内放送で呼び出すというレトロなもの。
女性からの呼び出し時、玄関へのダッシュは音速を超えたとか超えなかったとか。
蛇足だが、当然ノーパソ(ノートPC)なんて持っていない。
たとえ持っていたとしても、WiFiどころかLANもなかった。
なるほど、よいち氏の妄想力がたくましくなるわけだ。
※3
「いなかっぺ大将」をぐぐってくれたまえ。にゃんぱらり。
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