人影

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このあと、どうなってしまうのか。 よいち氏の心臓は、先ほどよりも強く脈を()った。 耳の血管を流れる血が、ごうごう。ざあざあ、と音を立てるほどに。 変化は突然、起きた。 険しい面持ちで、よいち氏を見下ろしていた男が、「ふっ」と頬を緩めたのだ。 男は、まるで朝日に当たった霞のように、一瞬でその場から姿を消した。
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