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「いや……今更だけど、会ったばかりのお前に俺。なんかごめん」
「すみません。顔が怖すぎてゴメンの気持ちがあんま伝わんない」
「悪かったな」
「謝らなくていいです。昨夜は僕が誘った……でもないか」
「違うのか!?」
「キスしたのは僕だけど、その後は。……ねえ?」
ねえ、と言われても細かいコトまでは覚えていない。ますます頑なに膝を抱える俺。
「とにかく、初音さんもシャワー浴びてきたらどうですか」
「……だな」
俺はのろのろと立ち上がり、リビングを抜けて風呂場へ向かった。
(でもまあ。考えたら凹むような事じゃないか)
風呂で熱いシャワーを浴びながら改めて思う。
大人同士、ソノ気が合致して一夜を共にした。それのドコが悪い?
(合意の上……だし)
吐息交じりに揺れる七瀬の肢体が蘇る。それに頭を振ると、突然風呂場の扉が乱暴に開けられた。
「わっ!?」
振り返ると、真っ裸の七瀬がズカズカと踏み込んでくるではないか。
「な、なんだよ。お前はさっき入っ……」
「ちょっとなんて嘘です」
「は? なに?」
次の瞬間、首根っこを引き寄せられてまた強引に唇を塞がれた。
(……っ! コイツはなんでこう、いつもいきなり……!)
だが前と同じく、瞬く間に受け入れてしまう。甘く痺れて、肌が波立つそのキスを。
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