真夏の夜に君を願う

3/18
前へ
/18ページ
次へ
「…ねぇ、なにこのコッテリしたお弁当」 「見りゃわかるだろ、夢のハンバーグ天丼弁当だ」 「私、パス…!!」 「うええ?!リコ、お前ほんとご飯食べないよな?  夏は食べないと身体壊すぞー?」 「逆に言うと、偏った外食ばかりだと身体壊すよ?」 そう言ってリコは、東京の家から持ってきた複数のサプリメントを口に放り込んだ。 父は呆れたという様子で、ぐびっとお茶を飲んだ。 「………篤人が嘆いてたぞ。 また不良少女を連れ出すのに失敗したって。」 (やけに諦めが早いと思ったら、父に告げ口しにいったのか) 「焼けるのが嫌なの!シミ作りたくないし!」 「ご飯も食べないし、焼けるのが嫌って何を目指してるんだ?モデルにでもなるのか?」 「……っ?!!」 「え、、図星か?」 リコは否定も肯定もせず、逃げるように立ち去り、自分用に用意された部屋に閉じこもった。 その態度は明らかに、"図星だ"とわかる。 ーーーーーそう、私はモデルになりたい。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加