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「…ねぇ、なにこのコッテリしたお弁当」
「見りゃわかるだろ、夢のハンバーグ天丼弁当だ」
「私、パス…!!」
「うええ?!リコ、お前ほんとご飯食べないよな?
夏は食べないと身体壊すぞー?」
「逆に言うと、偏った外食ばかりだと身体壊すよ?」
そう言ってリコは、東京の家から持ってきた複数のサプリメントを口に放り込んだ。
父は呆れたという様子で、ぐびっとお茶を飲んだ。
「………篤人が嘆いてたぞ。
また不良少女を連れ出すのに失敗したって。」
(やけに諦めが早いと思ったら、父に告げ口しにいったのか)
「焼けるのが嫌なの!シミ作りたくないし!」
「ご飯も食べないし、焼けるのが嫌って何を目指してるんだ?モデルにでもなるのか?」
「……っ?!!」
「え、、図星か?」
リコは否定も肯定もせず、逃げるように立ち去り、自分用に用意された部屋に閉じこもった。
その態度は明らかに、"図星だ"とわかる。
ーーーーーそう、私はモデルになりたい。
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