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ピローンとチャイムがなり、次のトーク画面がオープンした。3人の男女が画面に映る。僕も含めたら4人。各自の画面の下には名前が表示されている。
「どうも〜」
「よろしく」
「ここって文系製薬会社就職の部屋?」
「そうだよ!えーっと、ナオキ……は外資系?」
ナオキは僕だ。僕に呼びかけた女の子の名前を確認して呼びかける。
「えっと、ミカは?」
「同じく」
潔いショートカットをさらりと揺らしてミカがうなずく。
他の二人もうなずいて、ここのトークテーマである「文系出身者は製薬会社でどんな仕事に就けるのか」が始まる。久しぶりなんて近況を話す必要もない。なにせ、お互い一度も会ったことない。
母さんが一番勘違いしているのはこの点だ。
僕が毎日楽しく話しているのは友達じゃない。
気遣いが必要な相手じゃないからこそ、自由に話すことができる。
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