SadoのSM小説 最期のSM小説家 第一幕 義姉妹と荒井枝里

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最期のSM小説家  第一幕 義姉妹と荒井枝里                          Sado(鬼蔵)  この物語はフィックションであり、実在の人物機関とはなんら関わりがありません。  二〇十九年霜降上元  (この二十四節気は平気法によるものです)  如月鬼堂は上越新幹線の古いタイプのe200系グリーン車でパソコンを叩きながら越後湯沢に着いた。配給会社と打ち合わせを終えての帰宅である。  如月鬼堂はSM小説を書いている。半年近く前にさいたま市から此処に引っ越した。  駅には戸籍上の娘が迎えに来ていた。駅から車で十数分の高層マンションの最上階に住んでいる。  二人の娘が一緒に暮らしている。どちらも養女である。  だが娘の領域は完全に超えている。法律上の問題がないように養女として戸籍を入れているのである。  如月鬼堂のSM小説は時代の風潮に逆風しても売れに売れている。  マンションの部屋に戻ると既に風呂の準備がされていた。最上階で二つのフロアの高さを貫いた9LDKである。  リビングは吹き抜け。メゾネット階に部屋が五つ洋間である。メゾネット階の下に四部屋と内湯がある。
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