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庭に出て穴を覗きこみ、絶句した。
弟の半身が埋まってしまうほどの穴の底には、薄汚い麻袋が埋まっている。大きさは周の上履き袋くらい。その破れ目から、石が光っている。
「ちえ、なんだぁ、つまんないの」
周は急に関心をなくした様子で、穴に袋を投げ入れた。
「僕この穴、もう埋めるー」
脇に転がっていたシャベルに手を伸ばすのを強く引き留め、
「ちょーっと、待ちっ。それ、誰かが埋めて忘れてた物かもしれないでしょっ。だめだよ、確かめもしないで庭に埋め戻しちゃ。お母さんに怒られるよ」
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