SadoのSM小説 最後のSM小説家 第十一幕 銀行襲撃SMバイオレンス

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 「同じ事はしないでしょう。用心深い犯人です。アリバイがあっての逮捕にはかなり懲りたでしょう」  館山弁護士はこの場だけと構わず犯人と言ってしまっている。  珠洲がつまみとビールを補給する。  「でももっと巧妙になって再犯しないのですか」  珠洲はこの六人が社会にそのまま戻ることに不安を持っている。  「この犯人はこの女性運転手に怒りを持っていたのではないかと思われる。やたらには動かないのじゃないか」  「そうですね」  如月鬼堂の見解に福富麻次郎も同意する。  大河内税理士と杉下一行が接続したのでテレビ会議が始まった。  「先生。盛況でしたね」  一昨日行なわれた愛好会の熱海、生駒二元開催のショーのことである。  「ありがとう」  「今回はほんとに大々的にできました。来島結奈はショックが大きかったようですが」  杉下一行は昨日熱海まで一緒に戻って来た。  「しかし鬼堂先生感染者の数が何とも言えません」  大河内税理士は危機感を強くしている。自分の客が倒産するのと愛好会が自粛になることの心配である。
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