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ことの始まりは3ヶ月前。
5月某日。吐きそうなほどの晴天。
俺はこの日、屋上にいた。理由なんてもちろん今日と一緒。
「これで終わりさ。せいぜい罪悪感に苦しめよ。愚図どもが。」
そう言って、飛び降りようとした瞬間。
「え!?死んじゃうの?こんな天気のいい日に!?しかも飛び降り!?ありえない。センスなさすぎ。」と、今屋上に来たらしい人が言った。
彼女は、所謂清楚系で綺麗なロングの黒髪で、それは白い肌によく映えていた。
「そんなこと言うなら、見なきゃいいだろうが。自殺にセンスを求めんな。」
「いやいや!自殺はセンスを発揮するところだよ!?だって恥ずかしくない?ニュースで、飛び降り自殺って言われるんだよ!?無理無理!恥ずかし!」
いや、わからねーよ。
「じゃあ何がセンスあるんだよ。」
「そんなのわかんないよ。だから私が生きてるんじゃない。」
そう言って彼女は俺の手を引いて、「取り敢えずお腹すいちゃった!そこのカズト行こ!」と、人懐っこい笑みを浮かべた。
苦手なタイプだと思った。
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