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ああァ。全くやってらんないねェ。
そう言い出して、机に座る彼。
なんで、あんなやつのけつを持たなきゃ行けねえんだ。ふざけんな。ツカ、なんで俺が謝んなきゃいけねえんだ。ふざけんな。納得いかねえ。冗談じゃねえ。あいつ呼んできてちゃんと謝らせて。ここまで上手く持ち直したの俺だぞ、わかってんのか。なめやがって。
そうやって、彼は夜道を蹴る。
あはは!もちろんデス!
やりマス!大丈夫デス!
そういって、彼は職場で笑う。
もう無理。無理ダワ。本当に。
彼は、ソファーで横になる。
わかります。エエ、エエ。とても、わかります。そうですよね。
彼は、電話越しに頷く。
はァはァはァ
彼は駅のホームを駆ける。
うるせえよ酔っぱらい!ほら!絡むな俺に!
お酒を飲んで楽しそうに笑う彼。
ァァア!!もう!
壁に拳をぶつける彼。
助けて
小声で、漏らした彼の寝言。
うッワ。ダる
彼はメールを見て、頭を項垂れた。
大丈夫、大丈夫、大丈夫だ。うん。うん。大丈夫、大丈夫だから。ほら。大丈夫。
彼は、しきりに言い聞かせる。
エート。整理しますね。あれについては、前にも言いましたよね。で、問題ないっていったはずですよね。で、急にこのタイミングで無理って。どういうことですか?わかりました質問を変えます。どうしますか。どうしてくれますか。
彼は、声を押さえて、感情を押さえる。
どうにでもなれ。
彼は投げやりに、言い放つ。
俺は何をしてんだろう。
彼は、座り込む。
公園で、瞬く夜空に向かって
彼は夜空にポツリと呟く。
「◯◯。◯◯◯◯」
俺は、一人、公園で何を言ったんだ。
声は、夏の夜に、掻き消えていった。
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