2/2
前へ
/12ページ
次へ
 早い朝食を一口ずつ味わう。キッチンに立てると言うことは、イコールで調子が良いと言うことだ。  そういった理由も含めて嬉しかった。何より、彼の料理は美味しいし。  明嵩は相変わらず煙草を加えていて、離す様子を見せない。俺にもそれくらい目を向けてくれたら、とは思うが、恐らく勝利の日は来ないだろう。 「今日、一緒に出かけない? 気候もいいし」 「やめとく」 「なら俺もいいや。じゃあゲームしようよ」 「行っても良いのに」 「明嵩と行きたいんだよ」  毎度、あの手この手で暇を潰そうと試みるが、これが至難の技だった。  俺にとって明嵩は大切な人だ。だから、どうにか救いだしたいと思っている。  煙草に恋する――命に無頓着な明嵩を。 「蒼月は俺に合わせすぎなんだよ」 「本心だけど。で、ゲーム付き合ってくれるんだよね?」  テレビ台から機器を引っ張り出す。煙草を取り上げコントローラーを渡すと、渋々ではあるが握ってくれた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加