蓮を鳴かせたい(NOTリバ)✦side秋人✦ ※

4/4
744人が本棚に入れています
本棚に追加
/173ページ
「……あっ、……ぁ、……ぁ」 「あ、秋さん……?」  頭がずっとぶっ飛んでる。絶頂感が終わらない。身体中の痙攣がやばい。なんかいつもと違う。   「……あ、おれ……イッて、……あ」 「え、でも秋さん出てないよ……?」 「は……? んなわけ……」  思わず下を確認した。本当だ出てない。  出してもいないのになんだこれ。 「あ……ぁ、やば……い、……はっ」 「秋さん……締めつけすご……い、……くっ」  もう……無理……。  ガクガクと震える身体を起こしていられず倒れ込もうとしたとき、蓮が起き上がって俺を支えた。 「ああぁっっ、ア……ッ」  蓮の起き上がる動きに刺激されて、また快感が走る。  本当になんだこれ。こんなの俺知らない。こんなヤバイの俺知らねぇよ……。   「秋さん、大丈夫……?」 「わかん……ねぇ、おれ……ど……しちゃったの……? あぁ、あ……」 「……あ、もしかして、これがドライっていうやつかな……?」 「……なんだ……それ……」  蓮がなんか説明してくれるけど、耳に入ってこない。  気持ちいい。やばい。すげぇイイ。良すぎて……怖い。  俺は荒い呼吸をくり返し、震える手で蓮にしがみついていた。  少しずつ、痙攣がおさまっていく。 「……あ、秋さん、少し……落ち着いた?」 「……ん、た……たぶん……?」 「ごめん秋さん、俺……も……我慢できない……動きたい」 「……あぁっ、あ、バカっ、うごくな……っ」  下から突き上げるようにしてくる蓮に、さらに強くしがみつく。今の一瞬でまた目の前に星が飛びかけた。うそだろ……。  蓮はしがみついてる俺の身体ごと、繋がったまま反転させた。 「れ、れん……待てっ、ほんと……今やべぇからっ」 「むり……もう、我慢できない」  はぁはぁと呼吸を荒くして、正気を失ったような蓮が……怖い。俺のとめる言葉も聞かず、腰を動かした。   「ああぁっ! あっ、おいっ、やめ……っ、あぁっ! やめねぇと殴るぞコラッ、……アッ、ぁんっ、あああぁぁっ!」 「ごめん、ごめん秋さん、……ぅ、きもちいぃっ」 「あ、ぁっ、おれずっとイッて……あっっ、なにこれ怖ぇってっ、ああぁぁっ!」    もうずっと続く絶頂感でわけが分からなくなっていた。 「んっ、あっ、あぁぁっっ、ンンーーーッッ」    やばいくらいに気持ちいい。でも怖い。でも気持ちいい。 「うっ、イクッ……イクッ、……ぅあっっ」    蓮が果てて倒れ込んできたあとも、しばらく痙攣がおさまらなかった。 「……あ、……ん……」    気がつけば腹の上が冷たい。いつ出したんだろう、それすら分からない。  蓮は俺の出したもので汚れるのも構わず、きつくきつく抱きしめてきた。 「……ごめん、ごめん秋さん……。俺、こんな……酷いこと……ごめんなさ……」  蓮の身体は震えていた。  どうして震えてるのかなんて、聞かなくても分かる。  正気に戻ったらしい。俺の優しい蓮が戻ってきた。 「……蓮……気持ちよかったか……?」  俺の問には答えず、さらに息が止まりそうなほど抱きしめる腕に力を入れた。  愚問だったな、と思い笑いが漏れる。  蓮が初めて自分を優先にした。俺の身体で、初めて蓮が正気をなくした。  やばい。嬉しくて笑いが止まらない。   「あ……秋さん……?」  顔を上げた蓮は、この世の終わりみたいな顔で泣いていて、愛しさが込み上げて胸がいっぱいになった。 「俺も、すっっっげぇ気持ちよかった。やばすぎ。さいこー」    ニッと笑ってワシャワシャと頭を撫でてやると、蓮はぼたぼたと涙を流して鼻をすする。 「も……きらわれたかと思った……」 「ははっ、なんでだよ」 「やめろって……殴るって言われたのに……俺とまれなくて……」 「なぁに言ってんの? 最中のやめろなんて、もっとって意味じゃん?」 「……そ……なの?」 「やばすぎて死ぬかと思ったけどな。でも、蓮がやめずにやってくれたから、最高に気持ちよかった」  首に腕をまわして引き寄せ、さんきゅ、と口づけをすると、蓮は声を出して泣いた。   「……よ……よがっだ……うう……あきざん……」 「ははっ、ほんと可愛いなお前。俺が蓮をきらいになるわけねぇじゃん。こんな愛してんのに」 「あきざん……っ」    ぎゅうっと抱きついてくる蓮の背中を優しく撫でた。  蓮を鳴かせるのは残念ながらほぼ失敗に終わった。でも思わぬ収穫で嬉しすぎる。  俺が大丈夫と言ってもいつも心配ばかりする蓮が、正気をなくすなんてよっぽどだ。  俺も、さっきのは要は尻でイッたってことだろう。  マジで最高だった。毎回はしんどいだろうが、たまになら最高だ。 「蓮。早くシャワー浴びて、オムライス食おうぜ」 「あ……オムライス……食べる」 「じゃあ、はい。コアラ抱きでよろしく」 「……っ、うん、喜んでっ」    今日のオムライスがトロトロ卵じゃないのは、蓮を鳴かせたかったからだと話したらどんな顔をするだろう。絶対に真っ赤になるだろうな、とちょっと楽しみになりながら俺は蓮に抱きついた。 end.      
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!