わがままドッキリ✦side秋人✦2

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わがままドッキリ✦side秋人✦2

 蓮は俺を意地悪そうに見つめ「秋さん好きだよね?」と笑って脇腹にジュッと吸い付き、乳首をいじる。 「あぁっ、だ、だめ……っ、だ……っ、んああぁ……っ!」  乳首の刺激と同時に、脇腹から脇の下までを舌で舐め上げられ、俺はあっけなくイかされた。 「…………せなかって……言ったじゃん……」 「やっぱり早くカレーが食べたくなっちゃって」  「ずりぃー……」    背中と乳首でゆっくりイきたかったのに、脇であっという間コースに変えられた。蓮のやつ……絶対わがままドッキリ成功させてやる。  俺は変なところでやる気スイッチが入った。   「秋さん、乳首と背中、どっちがいい?」    俺の身体が落ち着くまで、どこを楽しめばいいかと蓮が聞いてくる。  だから俺はうつぶせになりながら「背中」と答えた。  蓮がふわっと俺を包むように後ろから抱きしめ、耳を舐めながら「愛してる。秋さん」とささやく。 「ん……れん……愛してる……」  蓮の唇と舌が耳から首筋、うなじと降りていったところで、あ、ドッキリ……と俺は思い出す。 「やっぱ、乳首がいい」  と、俺はゴロンと仰向けになった。  蓮はちょっとだけびっくりした顔で「ふふ、いいよ」と嬉しそうに乳首に吸い付いてくる。 「あ……っ、きもち……っ……」  ああ……すげぇ気持ちいい……このまま溺れていたい……。  いや、だめだ。ドッキリだドッキリ。 「やっぱ背中にして」  ぐいっと蓮の頭をのけて、俺はまたゴロンと転がった。 「っえ?」  蓮の驚いた声。よしよし、もう何回か転がれば……。  蓮の愛撫の途中で何度も俺は転がった。でも、そのうち蓮がお腹を抱えて笑いだす。 「秋さん、どうしちゃったの? 面白すぎるよ」  全然だめだった。  わがままって難しいな……。  もういいや。終わってからにしよう。俺……もう限界。  背中に乳首に……愛撫のされすぎで、もう蓮がほしくてたまらない。 「蓮……もう、ほしい……」 「うん、俺も限界」  蓮がサイドテーブルの引き出しからゴムを取り出す。  その瞬間ひらめいて、俺はそのゴムを奪ってポイッと放り投げた。 「あっ! えっ?」 「今日はゴムいらねぇ。そのままがいい」 「……もう破っちゃったのに」 「え」  マジか。もったいない……。 「もったいない……」  蓮のつぶやきが脳内のセリフと被って思わず笑った。 「笑うとこじゃないよ? もったいないんだから」 「うんうん、わかった。ネットでポチっとくって」 「そういう問題じゃないよ?」 「はいはい。もういいから、早く……」  上半身を起こして蓮を抱き寄せ、唇を合わせながらゆっくりと後ろに倒れた。 「ん……っ、れん……」  蓮がチュッチュッとリップ音を鳴らして唇を離す。まるで俺をなだめるようにまたチュッとしてから顔を上げた。 「秋さん、今日なんか変だよ?」 「別に変じゃねぇよ。なぁ……もういいから……」  蓮がちょっと心配そうな表情で俺を見つめ「じゃあ、入れるね?」と頬を撫でる。  わがままドッキリで怒るか怒らないかって検証なのに、心配せちゃった……。蓮、ごめん。 「あ……っ、……れん……っ……」 「秋さん……愛してる」  ゆっくりゆっくり俺の中に沈めながら、俺の頭を抱き込むようにして唇をふさぐ。 「ふ……っ……、ぁ……っ……」  奥まで届くと、ゆっくりと引き抜いてまたゆっくりと中に入る。  ときどき奥深くをトンと突いて、またゆっくりと出し入れする。 「……はぁ……っ、ん……っ……」  ゆっくり優しく蓮に愛される。全身が幸福感に満たされて胸が熱くなった。  蓮……愛してる。どれだけ伝えても伝えきれないこの想いが、愛し合いながら全身で伝わればいいといつも思う。  蓮の愛撫と同じように、背中に指をそっとふれさせてゆっくり撫で上げると、蓮がピクッと反応した。可愛い。  すると、蓮はクスッと笑って俺の乳首をクルクルと撫で始める。 「ふぁっ!」  一気に射精感が押し寄せてきた。俺は慌てて、乳首をいじる蓮の手を掴む。 「やめ……っ、だめ……っ。イッちゃう……って……」 「ふふ、秋さん可愛い」 「ゆっくり……中だけでイきてぇから……手はだめ……」 「じゃあ、秋さんも手はだめだよ?」 「ん……、わか……っ、はぁ……っ、ぁ……」  だめだ……完全に快楽のスイッチが入った。  せっかくゆっくり愛し合うつもりだったのに……。 「れ……ん……っ、ち、ちょっと……まって……」 「秋さん、イきそう?」  と、動きを止めて聞いてくる。  コクコクと俺は必死でうなずいた。 「じゃあ、もう一緒にイこ?」 「は……なん……でっ。ゆっくり……っつたじゃん……っ」 「早くカレー食べたい」  蓮がキラキラした瞳でそんなことを言う。 「……もー……。結局それかよぉ……」 「ごめんね? でも食べたい」 「わかった……けど、ちゃんと最後までゆっくり……だかんな……っ」 「うん、ちゃんとゆっくりね」  頬にキスを落として、ゆっくり優しく蓮が動き始める。 「はぁ……っ、ぁ……っ、れん……っ……」 「俺の秋さん……愛してる」 「ん……あい……してるっ、……ぁぁ……っ……」  蓮の愛が流れ込んでくる気がする。  全身を愛で包まれている感じ。  蓮……俺の蓮。俺の夫。愛してる。  そこでふと思い出したドッキリ。終わってからと思ったけど、今これ最高にわがまま言うタイミングじゃねっ? 「れ、れんっ、まてっ、ス、ストップ……ッ」 「え、秋……さんっ?」    もう限界そうに顔をゆがめて、それでも蓮は動きを止めてくれた。   「ど、したの?」 「や……やっぱり……もっとゆっくり愛し合いたいっ」 「っえ?」 「やっぱ、カレーに負けんのやだっ。大事なのはカレーより俺たちの愛だろっ?」    自分で言ってて吹き出しそうになった。  なんだよ、俺たちの愛って。くさすぎる。  蓮が目をぱちくりして、それから破顔した。   「うん、ごめん」    極上の笑顔で俺を見つめて、倒れ込むように俺を抱きしめる。   「ごめんね。愛してる、秋さん」    チュッと頬にキスを落として、切なそうな吐息を漏らす。  謝んないでくれ、蓮。何言ってんだって言い返してくれよ。  怒らせるわがままって……難しいな……。  ああ……やばい。訳わかんないわがまま言ったのに……もう俺、限界……。   「……秋さん、ちょっと鎮めるから……ぎゅってしないで?」 「し……してねぇ」 「してるよ、ぎゅうって……」 「はぁ……っ、れん……やっぱ動いて……っ ん……っ」 「……え……秋さん?」    顔を上げた蓮が怪訝そうな表情をする。  今のは意図的じゃなかったけれど、なんかいい感じにわがままになったっぽい。   「動いて……っ、も……無理……っ」 「……うん、わかった」    蓮が心配そうな顔をして俺の頬を撫で、ふたたびゆっくりと動き出す。   「あ……っ、ん……っ、あ……ぁっ……」 「秋さん……愛してる……っ」  蓮は約束どおり、ひたすらゆっくりと中を突く。  でも、もう限界だった俺は一気に射精感に襲われた。 「んっ、あい……してっ、あ……っ……っ、イク……っ……」  蓮は? 蓮もイけそう?  一緒にイきたい。 「れんすきっ、れん……っ、あっあぁっ!」  俺がイク瞬間、蓮は快楽にゆがんだ色っぽい表情で吐息を漏らし、俺に倒れ込んだ。 「ぅ……っ、秋さんっ」  俺の中に蓮のあたたかいものがじわっと広がる感じがした。 「ん……れん……」  ごめんな蓮。もう愛し合うときに変なことすんの、やめるから……。  気持ちよかったけど、蓮の深い愛に包まれるいつものあの幸せな感じが、今はよく分からないままに終わった。自分のせいなのに悲しい……。  ぎゅうっと蓮に抱きついた。
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