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ゆっくりじゃないのがいい✦side蓮✦後編 ※
「あ、秋さん、とりあえずベッド行こう? 解熱剤はいつ飲んだの? もう飲める時間なら解熱剤飲んで、少しでも熱が下がってから――――」
「も……つらいっつってんじゃん……いいから入れろよ……」
俺にもたれたままの秋さんが、俺のズボンの前を開けようとする。
「ちょ、っと、待っ……」
「れんも……たってんじゃん……」
「……っ」
こんなエロエロな秋さんを見せられたら、そりゃ勃つに決まってるっ。
「秋、さんっ、わかった、わかったからベッドに行こう?」
「やだ……もう待てない……すぐ入れて……」
高熱でフラフラなのに、どこにそんな元気が残ってるのかと思うほど、秋さんは慣れた手つきで簡単に俺のものを取り出した。
床に転がったボトルを拾ってパチンと蓋を開け、手の平に出したローションを俺のものに塗りつける。
「うぁ……っ」
冷たいローションが、秋さんの手の熱であっという間に熱くなっていく。
もうこのまま流されてしまおうか。そう思ったとき、秋さんの身体が濡れていることに気づいてハッとした。
熱ひどいのにっ。濡れた身体でなんてだめだっ。いや、そもそもだめなのにっ。もっとだめっ!
「秋さんストップ!」
「んぇ……?」
秋さんの身体を壁に預け、脱衣所からバスタオルをひったくるように取って秋さんの身体をサッと拭いてから包み込む。
「すぐって……言ってんだろぉ……」
「秋さん黙ってっ」
バスタオルに包んだ秋さんの身体を抱き上げて、俺は寝室に向かった。
すると、突然ふはっと秋さんが笑いだす。
「なんで笑ってるの?」
つらそうな呼吸をしながらも、楽しそうに笑う秋さんにちょっとホッとする。
「だって……お前いま、アレ出しっぱだろ」
と秋さんの笑いが止まらない。
あ、そういえばそうだった。秋さんのことばかりで忘れてた。
「プラプラゆれてんだろな? ふはっ……ウケる……」
「もう、誰のせい?」
「おれぇー」
秋さんをゆっくりとベッドに寝かせ、バスタオルでもう一度しっかりと身体を拭いた。
「れん……入れて。いますぐ……」
「秋さん、終わったらすぐ薬飲むよ。そしていい子で寝る。わかった?」
「ん、わかった……」
前戯もなく入れるなんて初めてで、本当はすごく抵抗があった。
でも、早く終わらせて秋さんを寝かせないとだめだ。
サイドボードからゴムを二個取って、俺と秋さんの両方に付けた。
終わったあとにシャワーを浴びなくてもいいように。
「ふはっ、れん……かわいぃ」
「え、可愛い……くはないよね?」
「なんかいい子ちゃんで、かわい……」
熱でぐったりしてつらそうなのに、俺を見て優しく笑う秋さんのほうが百倍可愛い。
「つらかったら言ってね」
頭を撫でると火傷しそうなほど額が熱かった。本当に早く終わらせて寝かせてあげないと。
「いま、つらい。はやく……」
「うん……じゃあ、入れるね?」
「ん……」
秋さんの後ろにそっとあてがい、ゆっくりと中に入っていく。
「はぁ……ぁ……っ……」
繋がった瞬間、秋さんの身体が痙攣するように震え、俺の腕をぎゅうっとにぎる。
「あ、秋さん……中、熱い……っ」
中がすごく熱くうねって、いつも以上に絡んで吸い付いてくる。
「秋……さん、大丈夫?」
「う……ん、……あぁ……っ、れん……っ」
腕を伸ばしてきた秋さんをぎゅっと抱きしめた。
「ん……っ、れん……愛してる……」
「うん、俺も愛してる。ずっと秋さんを抱けなくて……つらかった」
「れん、も?」
「うん、俺も」
「……そ……っか……よかった」
秋さんが嬉しそうな声色でそう言って、俺の耳にちゅっとキスをする。
秋さん……可愛い。
俺も耳にキスを返し、頬にキスをしてから秋さんと見つめ合って唇を合わせた。
「ん……、れ……ん、うつ、る……っ」
「我慢……できなかった」
「だめだろ……」
「うん……でも、もうしちゃったし」
「んぅ……っ、ン……」
秋さんと四日ぶりのキス。
幸せで胸が熱い。愛おしくてたまらない。
秋さんの舌はすごく熱くて、首に回った腕も熱い。
たぶん熱は少しも下がってない。
「秋さん、つらくない? 大丈夫?」
「……すげぇ幸せで……死んじゃいそう……」
秋さんがトロンとした瞳と極上の笑みで俺を見つめた。
「秋さん……うん、俺もすごい幸せ」
「動いて……れん……」
「うん、動くね」
「はぁ……っ……、れ……ん……」
ゆっくりは時間がかかるし、激しくは絶対だめ。
今日はほどほどに……ほどほどに。
「あ……っ、やば……っ……、はぁっ……」
秋さんがいつになくビクビク震えて背中を仰け反らせる。
「秋さん、可愛い……」
でも、熱い身体が心配で仕方がない。
本当に早く終わらせないと……。
秋さんの弱い耳を口に含み舐めて舌を差し入れ、胸の突起を同時に撫でる。
「やっ、まっ、イッっちゃ……う……っ、あぁっ」
身体をよじってよがる秋さんに、俺はさらに最奥を突く。
激しく抱き合うときでも、こんなに早急にイかせようとしたことはない。
今日は秋さんだけイかせて終わりにしよう。
耳への愛撫はそのままに、秋さんのものに手を伸ばす。亀頭を優しく攻めながら最奥を数回突いた。
「んんっ、あっ、あぁ……っ……!」
秋さんが俺をぎゅうっと抱きしめ、激しく痙攣した。
中が熱くうねって絡み、さらに強い締め付けで思わず俺も果ててしまった。
秋さんだけ、なんて考えていたのに、最後は自分ももっていかれた。
脱力して倒れ込み、「秋さん……大丈夫?」と問いかけたけれど返事がない。
「秋さん?」
見ると、秋さんはスースーと眠りに落ちていた。
これだけの高熱だ。きっとものすごくだるかったに違いない。
早く何か着せないと、と俺は慌てて起き上がり事後の処理をした。
秋さんにもゴムを付けて正解だった。今度からはいつもこうしようかな。
バスタオルで秋さんの汗を拭き取って、ひとまず布団をかけた。
きっと秋さんはシャワーの前にパジャマを用意してるはず。そう思って脱衣所を覗くと、秋さんのパジャマがない。なぜかそこには俺のパジャマがあった。
「……なんで?」
秋さんの下着と一緒に俺のパジャマ。間違えたのかな?
とりあえず手に取って戻ろうとすると、洗濯カゴの中に着た覚えのない俺のパジャマが入っていた。今朝俺が脱いだものじゃない。それに、秋さんがシャワーを浴びるときに脱いだはずのパジャマも見当たらない。
俺は首をかしげつつ寝室に戻り、秋さんのパジャマを用意しようとクローゼットを開けた。すると、中の棚に無造作にパジャマが置かれてあった。俺が秋さんに着せたパジャマだ。俺はさらに首をかしげた。
ここで脱いでシャワーに行ったのかな。……裸で?
いつもそんなことはしないのにそれは変だ。ぐるぐる考えて、もしかして……と思い至り、秋さんが可愛くて悶絶しそうになった。
きっと用意されたパジャマは間違いじゃないんだ。秋さんは俺のパジャマが着たかったんだ。
シャワーに入る前も俺のパジャマを着てたんだろう。だから洗濯カゴに入ってた。俺が着せた秋さんのパジャマがここにあるのはそういうことだ。
「そういえば……」
洗濯カゴに入ってたパジャマは、恋人になった日に秋さんに貸してあげたパジャマだった。……偶然かな。……いや、たぶん偶然じゃない。あのパジャマは秋さんのお気に入りだ。俺があのパジャマを着て抱きしめると、いつも嬉しそうにふわふわ笑ってた。
「もう……秋さん、可愛すぎるよ……」
愛情があふれてこらえきれず、俺は両手で顔を覆った。
本当にどうしよう。愛しすぎて胸が苦しい。
なんとか気を取り直した俺は、秋さんが用意した下着とパジャマを秋さんに着せた。
熱で頬の赤い秋さんが、俺のパジャマを着てる。ちょっと大きくてダボっとして……可愛すぎる……っ。熱はすごく心配なのに、可愛いすぎて胸が高鳴った。
俺はしゃがみこんでふたたび顔を覆った。こんなに愛しい人の側にいられることが、本当にすごくすごく幸せだ。
昨夜はあれから一度起こしてお粥を食べさせ薬を飲ませた。秋さんは熱で始終ぼんやりとしていた。
今朝の熱も、まだ三十八度。
でも、熱はあるけれどかなり頭がすっきりしたようだ。その証拠に、布団にくるまったまま出てこない。
「秋さん、朝ごはん食べよ?」
「……いらねぇ」
「だめだよ。ちゃんと食べて薬飲まなきゃ」
「蓮が行ってからでいい」
「もう、そんな寂しいこと言わないで」
秋さんは起きて俺を見るなり顔を赤らめて布団にもぐった。熱を測らせるのも一苦労だった。
昨日は熱のせいで、実は相当もうろうとしていたようで、今頃になって俺に自慰を見られたことを恥ずかしがっている。
「てか……なんで俺見られた? お前に絶対見られない時間だったはずなのに」
「えっと……雨で夜のロケが中止になって予定より早く帰ってきたんだよね」
「……なんだよ、それ」
とつぶやいて黙り込む。
男同士なんだから、そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに、と思うけど、秋さんは後ろもいじるから恥ずかしいらしい。準備とたいして変わらないと思うんだけど。
「秋さん。じゃあ公平に、俺も話すね」
「……公平?」
「俺、一昨日秋さんからメッセージもらって、想像したらおさまらなくなって風呂場で一人でしたんだ」
「一昨日……」
そうつぶやいた秋さんが、やっと布団から顔を出した。よかった、とホッと息をつく。
「え、だからあんとき返事遅かったのか?」
「う、ん、ごめんね? 慌てて風呂場に駆け込んだから返信忘れちゃった」
俺の暴露に、秋さんはゆっくりと頬をゆるめた。
「なんだ。俺だけじゃなかったんだ」
「そうだよ。それに場所まで同じ風呂場」
「風呂場」
声が被って二人で声を上げて笑った。
「秋さん、朝ごはん食べよ?」
「ん、食う」
とモゾモゾと布団から出てきた。
「お粥にする?」
「やだ、パンがいい」
「卵はどうする?」
「んー。今日はぐちゃぐちゃー」
「スクランブルエッグね。了解」
ベッドに座って両手を広げる秋さんを、俺は当たり前のようにコアラ抱きにしてリビングに向かった。
「秋さん」
「ん?」
「俺のパジャマ、いつでも着てね? 可愛いから」
「……えっ、あっ、これは……っ」
「これは?」
「…………っ」
頬をピンク色に染めた秋さんが、俺の首元に顔をうずめた。
「……ん、着る」
「秋さん可愛い」
「……蓮に可愛いって言われるの、やっぱすげぇ好き」
本当にどうしよう。俺の秋さんが可愛すぎるっ。
あー……仕事に行きたくない。もっと秋さんを摂取したい。
一日中看病をして、わがままいっぱい聞いてあげたい。
一日中秋さんを甘やかしたい。
今日のロケも雨にならないかな。
そんなことを考えてるなんて、俺が仕事に真面目だと思ってる秋さんには絶対言えない。
絶対に、内緒。
「秋さん早く元気になってね」
「熱下がったら、ゆっくりじゃないのな?」
「ちゃんと、元気になったらね」
「熱下がったらだろ?」
「元気になったら」
「熱下がったらっ!」
end.
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今回はリクエストにお応えしてみましたꕤ︎︎
「熱を出した秋人が蓮のパジャマを着る」リクエストありがとうございました( *´꒳`*)
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