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 まったく、こういうところが子どもだと言うのだ。出会って3年経っても変わらない。  コーヒーを両手で持って息を吹きかけている様子を眺めながら、サキもコーヒーを飲む。  仕事もひと段落着いたことだし、遅くなったが昼食に行こうか、それとも何か出前を取ろうかと考える。 「芳之、昼飯は何がいい」 「うなぎ」 「ダメだ」  事務所の近所にあるうなぎ屋には以前芳之を連れていったが、その静かな雰囲気を読まない芳之がいつも通りにはしゃいだ為、それ以来芳之は連れて行かないことにしている。 「えー、なんで? じゃあ、フレンチ」 「そっちもダメだ」  そのカジュアルなフレンチレストランも同様に、芳之は連れて行けない。 「なんだぁ。あそこのお肉美味しかったのに。お寿司は?」 「お前、玉子しか食べないだろう」 「茶碗蒸しも食べるよ」 「寿司屋だと言ってるだろう」  寿司屋も連れて行きづらい。玉子だけを注文し続ける芳之への視線は、それは冷たいものだった。 「ダメかぁ。じゃあ僕に聞かないでよ」  芳之は頬を膨らませて拗ねる。 「全部自分のせいだぞ」 「ちぇー。じゃ、ガストで良いよ」  やっと許容範囲内の希望が出た。
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