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温められて立ち上る、彼が纏うアリュールの香りは、とても甘ったるい。シャワーを浴びた後でもその香りは彼に染みついているのか、サキの鼻をくすぐる。それはサキの錯覚かもしれないないけれど、とても惹かれる香りだ。
食べてしまいたい衝動に駆られてしまう。
少し腕を緩めて、彼の唇にキスをする。
彼の透き通った瞳は、快楽のせいか涙で潤んでいる。それを少し細めて、微笑む。
「春臣、好き」
彼はその答えをずっと待っている。それはサキも重々承知をしている。だからこそ、今は言えない。キスで答えに代える。
彼の腰にそっと触れ、持ち上げるように促すが、彼はまたサキに抱きつく。
「ダメ、まだ抜かないで?」
「まだダメなのか? もう3回目だぞ?」
「いいの。抜いちゃダメ」
どうあってもこのままでいたいらしい。これもいつものことだ。彼はいつまでも繋がったままでいたがる。自然に抜けてしまうまで、絶対に離れたがらない。
「このままでいて…?」
そんな彼がいじらしくて、エロティックで、サキはいつもそれに負けてしまう。
そのまま彼の背中を撫でていると、荒かった呼吸は徐々に収まって来た。
「…春臣」
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