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彼女の実家から目と鼻の先にある、俺の店に行き、開店準備を進める。
少し後に来たバイトの男子大学生の奈良君も手伝ってくれて、通常通りの時間に店を開けた。
日曜日だけあってモーニングの時間帯からお客様は満員で、俺と奈良君は目が回るほど大忙しだった。
ランチからはモーニングよりもっと増えて、パートの平井さんの手を借りてもてんてこ舞いだった。
「あ、奥さん、百華ちゃん、いらっしゃい」
厨房にいる俺は、そう言う平井さんの声で彼女たちが来たと知る。
「もも、大人しくしててね」
百華専用の小さな席に百華を座らせて、エプソンをつけた彼女が厨房に入ってくる。
「大忙しだね。有り難いことだけど。来て正解だったみたい」
消毒をする彼女が、肩をすくめる。
「本当、ありがとう。今日も宜しくお願いします」
俺はフライパンを振りながら、彼女に感謝する。
「いいって。この二品、持って行っていい?」
「いいよ」
「分かった」
結婚当初から手伝ってくれた彼女は、もう随分と慣れた様子で料理を運ぶ。
平井さんと奈良君は、彼女のことをいつも“救世主”と呼んでいた。
最強な助っ人だからだ。
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