223人が本棚に入れています
本棚に追加
「西山君、何か決まったら教えてね」
俺は嫉妬の火種を、冷静という水で鎮火させてから彼にお冷を出す。
「あー、今頼んでもいいっすか?」
「もちろん」
「じゃあ、いつものアメリカンとあとは、たらこクリームパスタのサラダセットで」
「かしこまりました。少々お待ちください。コーヒーは今飲む?それとも、食後?」
「食後で」
「分かった」
俺は、楽しげに話す西山君と百華の様子を見ながらたらこクリームパスタを作っていく。
「みてみて、いまかいたのー」
西山君の隣にちゃっかり座る百華がお絵描き帳を、彼に見せる。
「へえー、上手いじゃん絵。これは、にしやまさんってことは俺?」
「うん。これとこれも、これもにしやまさんだよ」
「えっ、マジで?わぁ、こんなに俺ばっか描いてくれてマジで嬉しいわ〜。この俺の隣にいる女の子は百華ちゃんか。これは、何してるの?」
「ももとにしやまさんがブランコのってるの」
「なるほど。じゃあ、これは?」
「いっしょにごはんたべてるの」
「これは?」
「いっしょにおかものにいってるの」
「おかもの……ああ、お買い物か」
「そう、おかいもの」
「へえ、どれも俺たち楽しそうだね」
「うん。でーとしてるから、たのしいの」
最初のコメントを投稿しよう!