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学校を出て、社会人になってから結婚というのは桃ちゃんの人生と重なる。
きっと、彼女から俺と結婚するまでの経緯を聞いた百華は、それを目標にしているんだろう。
そして、その結婚の相手は絶対に西山君なのだ。
百華は、話題を変えたい西山君の魂胆を知ってか知らずか、頑なに変えないようにする。
「えっ、俺と結婚?」
西山君は笑い交じりに、確かめる。
「うん」
「こんなおじさんでいいの?」
「にしやまさんはおじさんじゃない。それに、にしやまさんならおじさんになってもいい」
「えー、マジで?百華ちゃんが結婚できる歳になったら、俺もうめっちゃおじさんだよ?」
「ぜんぜんいい」
「いや、全然良くないよ!西山君も、話合わせてくれるのはいいけど、あんまりその、期待させるようなことは……っ。本当に結婚できるわけないんだし、もし百華が本気にしたら、」
「パパはだまってて」
待ったをかける俺に、百華が一蹴する。
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