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「黙ってられないよ!百華にはまだ早い!しかも、け、けけ結婚なんてっ、早すぎる!」
俺はわなわなと震えて、叫ぶ。
「はやくないもん。もう、決めたことだからくちだししないで」
またもやきっぱりと一蹴される。
「く、くちだしって……」
大人顔負けの一本気な態度に、俺はおたおたして、桃ちゃんたちはほのぼのしている。
「ははっ、決めたことって百華ちゃん、ちょっとそれは気早じゃないかな?」
西山君は、満更でもない様子で笑う。
「そういうところ、パパに似たのかも」
桃ちゃんにクスリと笑われ、一人の人を好きになったらまっしぐらで暴走しがちな自分と重なる節があり、血は争えないものなのかもしれないと痛感した。
「確かに。うーん、百華ちゃんにそこまで熱烈なプロポーズされて、断るのはなんだか申し訳ないなぁ」
「えっ⁈」
俺は、目を剥く。
「っ、も、もしや本気で、ぷ、プロポーズを受けるつもりじゃ⁈」
『そんなわけないでしょ』と、桃ちゃんが首を横に振って百華の機嫌を損ねないよう無言でツッコむ。
「ははっ、そうなったら主任が俺の“お父さん”になるのかぁ〜。それもまた面白いな」
「いや、全然面白くないよ」
「お父さん」
西山君は比較的真面目な顔で、俺をそう呼ぶ。
「やめてくれ。ねえ、本気で受ける気なの?園児のプロポーズを?」
「さあ?」
「えっ、うけてくれないの?ももとけっこんするの、いや?」
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