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「また、近いうちに来るよ」
西山君は、膝をついて百華と同じ目線になって言い聞かせる。
「ほんとに?」
「ほんと」
「じゃあ、つぎのおやすみはぜったいきてね。ぜったいだよ」
「絶対来るよ。ほら、約束しよ」
指切りげんまんをする二人の様子を、俺は指をくわえて眺める。
「やくそくしたからね」
百華は目を赤くして、震える声で言った。
「うん。破ったりしないよ」
「まってるからね。にしやまさんたくさんかいて」
「うん、楽しみにしてる」
百華は、西山君が会計を終える最後の最後まで後追いした。
「じゃあね、またね。すぐに会いに来るからね」
やはりいつものように泣く百華に見送られて、西山君は帰っていった。
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