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勅使河原さんは、私が嫌ではないと分かると嬉しそうに破顔する。
「嫌じゃないだね?嫌じゃないんだね!なら、これからもどんどん誘うよ」
「どんどん誘っていいとは言ってない!」
「でも、嫌じゃないんだろう?」
メガネをキラリと光らせて、私を黙らせる。
くっ、確かにそうだけども。
何も言えない私に、彼は爽やかな笑顔を向ける。
「桃ちゃん、俺は桃ちゃんのことが好きだ。好きなんだよ。だからどんなに桃ちゃんに鬱陶しがられても、断られても諦めない。いつか、俺を好きにさせるから宜しくね」
……ああ、これももう何度目の告白だろう。
「絶対に、好きになんてなりません」
はっきりと言っても、彼はその爽やかな笑顔を崩さない。
……営業一課の事務一年目の、『栗山 桃子 (くりやま ももこ)』25歳、独身、ちなみにここ数年彼氏無し。
なんだか毎日、大変な男に狙われている……みたいです。
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