イジメ(失敗)三連続②

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イジメ(失敗)三連続②

「今日こそ!今日こそ、私を噴水に突き落としなさいよ、ティーリズ!」 と、またもや噴水池の通りに鼻息も荒いマリィ嬢が立ち塞がった。 …困ったわねぇ…。 クレアとリミテとこの先の温室でピクニックの約束をしてるのだけども。 (いつものごとく)話を聞いてくれそうにない。 「い~い?私は、セドリック様と"トゥルーエンド"を迎えたいのよ!そのためには、絶対に、ティーリズ!あんたを処刑台に…!!!」 …こわっ! 目がイっちゃってるわ…。 逃げ道を探して目をさ迷わせるとマリィ嬢が両手を広げ、反復横跳びも真っ青な、リズミカルで軽いフットワークで私の行く手を阻止しようとする。 うう~ん…。 ダダダダダダ…っ! 「うおぉぉぉ~!マリィィィィ~!無事か~?!ティーリズ、ヤメロ~!」 …げ。 面倒な人が来ましたわね…。 私、何もしてないわよ。 「えぇ~い!こうなったら…!ぐぉおぉぉ~~~!!!」 セドリック様が私に走り寄りながら手を伸ばしてくる。 …あれ? 私、突き飛ばされる? 避けよっと。 「リズに何してくれようとしてやがんだ、コイツ!!」 ドカッ! 「いてぇ!」 「ギャッ?!セドリック様!いたっ」 バシャン! ドボン! …あら? ちょっと前にこの光景、見たわね…。 あ、池に突き刺さっていたのは一人だけだったけど。 「あっぶねぇな。リズ。の行動を二人とも取るなよ?…しかし…マリィ嬢も両手を広げてリズの前に立ち塞がってなければ、セドリック(バカ)に突き飛ばされることもなかっただろうに」 ラドに抱き寄せられた私は、それどころではない事態に慌てる。 「ちょっとラド!マリィ嬢は魔法で空気を作り出してて無事なようだけど、セドリック様が溺れてるわよ?!脚がジタバタしてるわ!池から引っこ抜かないと!!!」 すると 「ほっとけ。セドリックはイギタナイから、すぐに空気作れるようになるだろ。というか、王太子ならそのぐらいやれなくてどうする。…あ?バカの頭はどんだけ頑丈なんだよ。池の泥どころか、池の底の石を突き破ってやがる。…引っこ抜くのは大変だぜ~」 ………あれ? ジタバタしてたセドリック様の脚が、ピンッ!と硬直して力が抜けて膝が曲がった。 大丈夫かしら? 「ぜっっってぇ大丈夫だ」 と力強くラドが言った。 「ゴホゴホゴホっ!し、死ぬかと思った…」 護衛騎士たちが慌てて噴水池の底を壊してセドリック様を引っこ抜いたら、セドリック様はすぐに目を開けた。 …ほんとに頑丈なのね…。
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