血管の異変

3/3
前へ
/3ページ
次へ
 スマートフォンの振動が僕の意識を戻した。  あれ、今までのは夢…? 自分の体を横倒しにしたはずなのに、僕は大の字で眠っていた。  体中には脂汗がにじみ出ていたが、動く。何だ、今までのは全部悪い夢だったんだ。  僕は起き上がると冷蔵庫からキンキンに冷えた水をグラスに注ぎ、一気に飲み干す。ああ、美味しい。やはり水分補給は大事だ。熱中症にならずに済むようにこうして飲まないと…  何気なくグラスを置いたとき、左手の親指の小さな血管が、ピクピクと波打っていた。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加