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でも、清夏はどうなのだろうか。あんなに誉田くんに興味無かったのだから。
私たちはほっとして詳細を聞けていなかった。
「陽葵、あんなに日野くんバカバカ言ってたのに、何でそうなったの?」
そう言われ、清夏も同じ気持ちなのだろう。
「清夏だって、誉田くんに全く興味なかったのに、何でそうなったの?」
私たちはテーブルに乗り出して、お互いの吐いた二酸化炭素を吸う羽目になる距離で言った。
「まあ、落ち着いて。俺ちょっと用事あるから帰んなきゃなんだわ。二人になってからゆっくり話せよ。二人とも用事あるんだっけ?
この後 」
「「夕方から……」」二人の声かが重なって、清夏の表情から夕方からの予定は誉田くんとなのでは……と思った。
「んじゃ、それまで二人で話せばいいから、先に俺の話、聞いてくんない?」
「え、パイセンにも恋バナが?」
清夏が直ぐに反応した。
「パイセンはやめろ」
塔ヶ崎くんはストレートのアイスティーを飲みきると
「んー、レモン入れた方が好きだな」
と呟いて
「そう、俺も恋バナ。友達としてアドバイスが欲しい」
と、堂々と言った。
「え、誰? 何?」
だいたい、塔ヶ崎くんに私たちが恋のアドバイスを出来るとは思わないんだけど。
「聡子が、俺の事を好きなんだけど……」
思ってもみない名前が塔ヶ崎パイセンの口から飛び出した。
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