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「何で1回言っただけで、そんなにメッタ刺しに言われなきゃなんねぇんだよ。学部に関しては何でディスられたんだよ。」
「お前は教師というより、詐欺師じゃん。」
「そろそろブン殴るぞ。あぁー、アホみたいにイチャつくカップルが目につくなぁ。目が腐りそうだ。ブチ壊してぇ。」
「花火やるらしいから、それブン盗ってカップルに打ち込みましょうよ。」
「いいな、それ。最高に汚ぇ花火じゃねぇか。」
少々可笑しく、不穏な内容だが、彼らの日常会話である。
遠目から見れば、異国風の顔立ちをした衆目美麗の青年と、黒髪清楚な美少女の和服姿は、絵に描いたように美しいのだから。
「そういや、松林が彼女と祭りに来るとか行ってたな。見かけたら邪魔すっか。」
「え!?あの松林パイセンに彼女!?その女脅されてる訳?もしくは洗脳?貢いでる?」
「おいおい、失礼な奴だな。もしかしたら、彼女がいると錯覚して、1人で祭りをふらついてるのかもしれねぇぞ。」
「病んでるじゃないそれ・・・こわ。絶対関わりたくないわ。てか、あんたの考えが怖いわ。」
「俺も言ってて怖くなってきた。」
そんな2人の耳に、この祭りを知る者ならば、誰しもが聞いた事のある音楽を捉える。
聞いただけで、背筋がぞくぞくしてならない。
「なら、丁度いいわね。お化け屋敷行きましょ。」
「何がどう丁度いいんだてめぇ。」
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