2個目

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2個目

「ただいまー。」 「あっ...おかえり。」 「どうしたの?」 「別に...大丈夫だよ。」 ケイの最後の言葉を思い出しながら...眠りにつく。 ドキドキが収まらないまま...目が覚める。 さぁ、オムライス作らなきゃ! 卵は3個全部本物だった。 良かった。 パートの日はいつも卵と睨めっこ。 そう、加藤さんの為に作る。 美味しいって言ってくれる。あの笑顔が見れるから頑張る。 「はい、オムライスどうぞ!」 「あ、ありがとう。」 ...ドキドキドキ... 「美味しい!!」 やった!今までにない最高の笑顔だ。 「あの...また迷惑じゃなければ作ってくれるかな?」 「はい...。」 一緒に居ると安心する...ケイとは違う。 心がホワホワする...温かい。 この気持ちは何だろう? ...金色の卵はあと2個。 今日はパートだからミニチュア人は出来るだけなら、出て欲しくない。 ...コンコン!パカッ 不安は的中...今日はメガネ男子の様だ。 たぶん30代。  「俺はリョウ。よろしく。」 素っ気ない雰囲気だ。 「智子です。あの、今日パートなんですけど...。」 「はぁ?そんなの風邪引いたとかで休め。」 「えっ?!」 どうしよう?パート終わるまで大人しくしててくれないかな?  「あの、ちょっと用意して来ますね!」 急いで支度をする。 もし着いてくるなんて言ったら、どうする? 加藤さんも変に思うよね?  「あの、パート行ってくるので...」  「さっき風邪引いたって電話しといた。」 「えぇ?!ちょっと勝手に...」 「今日は俺と恋人なんだから、俺と居ろっ!」 ...何この俺様的な感じ。 ケイとはタイプが違う...。 「あの、パート先誰が電話に出ました?」 「加藤っていう男だ。」 え?うそ...男が居るって思われた。 どうしよう? 胸がズキズキする...。 「智子、こっちに来い。」 「はぁ...」 リョウは素っ気なくて口が悪いけど、甘えん坊の様だ。 私の肩に寄り掛かってきたり、膝枕してきたり...これもやばいんですけど? よく言うギャップ萌えってヤツ? ...私は何をやってるの? パートも休んで...男の人とイチャつきたかったの?加藤さんにも誤解されて...。 はぁ〜 「私...夜ご飯の下ごしらえしますね。」 パッと離れると、リョウが腕をパッと掴む。
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