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監督「内田！ まだそんなところに居るのか、早くウオーミングアップしろよ、時間が無いんだから」
内田「ハイ監督、どうせ5分じゃ間に合わないっす、それより心の準備だけはしっかりしておこうかと思って」
監督「お～・・凄い鼻息だな、見直したぞ内田、いい度胸しているじゃないか！」
内田「まず、一回の表です・・一番は左打者の植木さんですか⁉・・」
監督「そうだ、一番は植木だ、打率3割のヒットメーカーだ、足も速いぞ、塁にだすな！」
内田「打率のいい打者は、初球のストライクを狙ってくるはずだ、だから初球はストライクからボールになるフォークボールですね」
監督「一球目で空振りをとるつもりだな⁉」
内田「そうです・・2球目はカウントを稼ぐために、インコース低めをつく、植木さんはきっとそれを引っ掛けてファスト右へのファールを打ってくるはずだ、これでツーストライク、カウントは稼げたぞ！」
監督「次は、外角にストレートの見せ球だ！ 最後のインコースを決め球にするためにも、この一球は大事だぞ！」
見せ球とは、次に投げる球種の効果を、より高めるための捨て石のことである。
内田「いいえ、私は球数を多く投げたくありません。だから3球勝負で行きます。つまりインコース膝元にスライダーです！ 植田さんはボールを待ちきれずスイング、そして空振り三振を取ります！」
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