試合開始5分前

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監督「私も良いと思うよ、球数を減らしてより多くのイニングを投げたいだなんて、若いのに大したもんだ・・大賛成だ!」 内田「監督、俺もう30歳です、決して若くはないっす」 監督「もう30か? 今まで何してた?」 内田「2軍で練習していました」 監督「だから、そうじゃなく・・ウチのチームに入団するまで何してたか?・・て聞いてんだよ」 内田「社会人野球でピッチャーしていました」 監督「どこのチームだ?・・オオツ自動車とか、森口ガスとか・・あれのことだよ」  俺は高校卒業してからノンプロの選手として東光デンキのチームに在籍していた。 ところがこのチームに入団した秋に、ドラフト8位で監督がクジを引いてくれた。 その監督が俺を完全に忘れてしまっている、まぁ先輩からも同じようなエピソードを聞かされていたので、いまさら驚くこともないのだが。 内田「東光デンキです・・ご存知ですか?」 監督「へぇ~東光デンキか? どこかで聞いたことあるよな⁉」 自分でクジひいといて、よく言うよ⁉ 監督「2番打者は右打ちの桜井だ、打率は2割3分だが、ロングヒッターでもある」 相手チームなのによく熟知していると感心したいが、監督のそれは全て、手に持っているデーターを読み上げているだけである。
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