初の先発投手

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初の先発投手

 本当かよ? 俺が今、公式戦で真っ新のマウンドに立っている!  凄いじゃないか、観客席は椅子が見えないくらい満員だ、これが公式戦の先発マウンドなんだ・・キャッチャーが俺に近づいてくる。 キャッチャー(大塚)「内田、サインの確認だ、今日はAで行く、分かるよな」 内田「ハイ先輩、一がストレート、二がスライダーですよね?」 大塚「そうだ、三がカーブで四がフォーク、あと、まだ球種を持ってるのか?」 内田「いいえ、それでお願いします、コースもAでお願いいたします」 場内アナ「一番レフト植木・背番号7」 捕手の大塚のサインは、インコースのストレートだった。 勿論、俺は首を振った。 次に出たサインは外角のカーブだ、 これにも首を振った。 その直後、捕手の大塚がマウンドに走り寄って来た。 大塚「お前、新人のくせに俺のサインが気に入らんのか⁉」 内田「ハイ、このイニングに投げる球種は監督と事前に打ち合わせ済なんで・・」 大塚「それならそうと、最初に言ってくれ・・も~お前って面倒くさいやっちゃな・・」 大塚と内田は、お互いがベンチの監督の顔色を伺った、だが監督は少し頷いてみせるだけだった。
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