第一話 妖精が棲まう森

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 「…誠に申し上げにくいのですがー」 僕は 医者から余命半年だと告げられたー 病院を出て 晴れ渡る空を見上げながら 自分は もう四十歳になるのだなと思った。 年月は 流れるように過ぎて行く。 昔の事も 大切にしていた物も 色褪せていく。 願い事すら 僕は忘れていたー 病院から真っ直ぐに 帰宅をする。 服を着替えて リビングのソファーに腰掛けた。 『ホスピタルをお勧めします。河村さんは 独身でいらっしゃいますから…こちらは資料です。ご検討下さい』 医者から貰った資料をテーブルに放り投げた。 入院などするつもりは毛頭ない。 飾り棚の上にある古い写真立てに視線を移す。
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