感じ方はひとそれぞれ

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感じ方はひとそれぞれ

孝太はキッチンに立ち、お湯を沸かし始めた。 「なにやってるの?これから出掛けるのにお湯なんかわかしてさ」 美佳の質問に質問で返す。 「逆に、あとどれくらいで終わるんですか?俺は腹が減ったんだよ」 「あとカップラーメン1個半で終わる!」 「わかった。それで終わらなかったら今日はもうずっと寝るからな!!」 孝太の高らかなる宣言は美佳には届かなかったようで、特に手を早めることもなく、せっせと顔を整える。 「ああーん、髪の毛はねてるーー」 「はぁー……」 孝太のため息は、結局沸かされなかった鍋の中の水に解けていった……
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