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――数年後、世界で起こっていた戦争は終結した。
世界平和を目標とし、人々は互いに手を取り合って世界を復興させようと尽力を注いだ。
その際に世界中にサクラの木を植えようという計画が立てられた。
薄紅色の花を咲かすサクラが灰色だった世界に色を付けていった。
それから数十年、数百年と時が絶っていき、世界中には笑顔が溢れ、平和な世界が訪れていた。
春になると人々はサクラに心を和ませ、サクラと共に生きていた。
そんな世界で知らない人はいない一つの物語があった。
二人の男女とサクラの物語。
深紅のサクラに囚われた美しい女性を助け出そうとした男性。
そして人を愛しながらも悲しみに涙したサクラとの物語だった。
その物語の発祥の地である場所には、世界でもっとも大きいと言われる薄紅色の花を咲き誇らせる巨大なサクラの木が立っていた。
美しいサクラを人々は愛し、それに応えるかのようにサクラは美しく咲き続けた。
戦争で一度は崩壊しかけた世界が平和を手にし、その後戦争が起こることは二度となかった。
……語り継がれる物語には続きが存在していた。
二人の男女はその後人々の悲しみを癒すために旅を初め、訪れる地には必ずサクラの木を植えていった。
戦争を終結させ、平和へと近づいていく中、二人はサクラの立っていた地に訪れ、新たに咲き誇っていたサクラの前で永久の愛を誓ったそうだ。
物語が生まれた数百年前からそのサクラは愛のシンボルとして、幾数もの恋人たちを見守ってきていた。
男女とサクラの願いは永久に続き、これからも未来へと繋がっていくであろう。
世界の平和とたくさんの笑顔、そして多くの愛が生まれることを願って。
サクラは薄紅色に咲き誇っていた――。
〜本編Fin〜
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