通訳が必要

どんな事にも対処します

勤続5年目、仕事にも慣れて人間関係もしっかりと出来た頃で、職場にもお給料にも不満はない。
生来の前向きな性格が良かったのか、控えめな性格が良かったのか、KGコーポレーションという会社に入社して2年後、青深(あおみ)はこの部署に配属された。

KGコーポレーションは「人と人を便利でつなぐ」をコンセプトに家庭用品や家電などを扱っている商社で、扱う商品は多岐に渡っていて会社のビルも３つに分かれていて、中央ビルと呼ばれているそこの二階フロアが職場で、そこには沢山の従業員が並べられた机に座っている。

『KGコールセンター』
と書かれたドアを開ける。
ここに来る前に三階の更衣室で制服に着替えて来ていた。

黒のタイトスカートに白黒チェックのベスト、下は白のワイシャツ。
正社員で一般職の女性社員の制服になる。
これに袖を通すと気が引き締まる気がする。

まだ人はまばらで、沢山の机が並ぶ中を右手奥にある部屋のドアを開けて入る。

『お客様対応課』
そう書かれているドアを開けると、掃除をしてくれている女性が挨拶をしてくれる。

「おはようございます。」
挨拶を返して掃除を手伝う。

16畳程の広さの部屋で、机は8つ。
この部署は八人の部署で、コールセンターに入ったクレームに対応する部署。2年前、コールセンターからここへ異動の辞令を受けて、クレーム対応の電話を受ける係になった。