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僕の彼氏はちょっとへんなひとだ。
16歳も上で、今年めでたく50歳になる。何でも知ってて、何でも持ってて、何でもできる大人。
でも、僕のことが大好きなのに、それは一度も言ってくれたことがない。「好き?」って聞くと、抱きしめられるか、キスされるか。いつも誤魔化される。それも嬉しいからそれでもいいけど、どうしても言いたくないみたい。
照れ屋なんだな。ほんとに。
今日は仕事に連れてってくれなかった。
大体毎日、僕は春臣の事務所についていく。春臣は社長だ。だから、その時は春臣じゃなくて、サキさん、って呼ばないと怒られちゃう。
一日中仕事をするカッコいい春臣を見て、一緒に帰ってきて、ご飯を作ってもらう。
僕も自分の仕事がある時は、ついていかないでうちにいるけどね。事務所に行っちゃうとギター弾けないし、僕のマックないし。
今日は慌てなきゃいけない仕事はないから、一緒に行きたかったんだけどな。
「今日は株主総会だからダメだ」
「かぶぬしそーかい? 何で?」
「大事な集まりなんだと、去年も一昨年もその前も言っただろう」
「そうだっけ。何するの?」
「説明してもわからんだろう。とにかく芳之はうちにいろ」
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