彼氏には知られたくない!

1/9
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
 昨日は、つい飲みすぎてしまった。  達也が地元の友達とオール飲みをすると聞いて、私もつい近所のバーでたらふく飲んでしまったのだ。  元々酒好きだけど、達也が「女の子なんだから、あんまり飲み歩かないでほしい」と言うもんだから、控えていたのよね。  あーー……頭がずきずきする上に、胃もむかむかする。  こりゃ、今日一日動けないなあ、まっ、日曜だからいいけど。 「起きたんですね。おはようございます」  ん?  目の前には毎晩見ている天井がある。  このベッドは達也と同棲するときに購入したダブルベッド。  布団やシーツもニトリで調達したもので、間違いない。  隣にいる男は誰?    横を見ると、にっこりとほほ笑んだ男(イケメン)(ジャ〇ーズの平野くんを少し崩したような顔)がそこにいた。  肌がぴかぴかで眩しい……まだ20代前半だろう。 「スキンケアは何使ってる?」 「何言ってるんですか、裕子さん。水だけっすよ」  私が水だけ洗顔なんてしたら、三日で吹き出物だらけになってしまうな……違う! そうじゃない!! 「あんた、誰? 結婚詐欺師? ナンパ野郎? それともハニートラップ!?」 「ハニートラップされるほどの身分ですか、あなた……違いますよ。覚えてませんか? 高校の時の部活の後輩の佐藤ですよ。昨日会って意気投合したじゃないですか」  佐藤くん、名前と顔は覚えているけど記憶が曖昧だ。  時々、一緒に帰宅したり、部活中に話をしていた気はするけど、彼はもっと芋っぽい眼鏡くんだったような――?  それにしても、意気投合してベッドイン? ここは欧米か?    
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!