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昨日は、つい飲みすぎてしまった。
達也が地元の友達とオール飲みをすると聞いて、私もつい近所のバーでたらふく飲んでしまったのだ。
元々酒好きだけど、達也が「女の子なんだから、あんまり飲み歩かないでほしい」と言うもんだから、控えていたのよね。
あーー……頭がずきずきする上に、胃もむかむかする。
こりゃ、今日一日動けないなあ、まっ、日曜だからいいけど。
「起きたんですね。おはようございます」
ん?
目の前には毎晩見ている天井がある。
このベッドは達也と同棲するときに購入したダブルベッド。
布団やシーツもニトリで調達したもので、間違いない。
隣にいる男は誰?
横を見ると、にっこりとほほ笑んだ男(イケメン)(ジャ〇ーズの平野くんを少し崩したような顔)がそこにいた。
肌がぴかぴかで眩しい……まだ20代前半だろう。
「スキンケアは何使ってる?」
「何言ってるんですか、裕子さん。水だけっすよ」
私が水だけ洗顔なんてしたら、三日で吹き出物だらけになってしまうな……違う! そうじゃない!!
「あんた、誰? 結婚詐欺師? ナンパ野郎? それともハニートラップ!?」
「ハニートラップされるほどの身分ですか、あなた……違いますよ。覚えてませんか? 高校の時の部活の後輩の佐藤ですよ。昨日会って意気投合したじゃないですか」
佐藤くん、名前と顔は覚えているけど記憶が曖昧だ。
時々、一緒に帰宅したり、部活中に話をしていた気はするけど、彼はもっと芋っぽい眼鏡くんだったような――?
それにしても、意気投合してベッドイン? ここは欧米か?
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