0。胡蝶の夢

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でもこういう行為はこちらの意思を確認するものではないのか。少なくとも谷さんは。もっとも抵抗すればパーメオだって引き下がるかもしれず、それは困るとばかりにしがみついてるのは私の方だ。 美しく磨かれた象牙さながらの肌がもたらす倒錯、これが世界の全てだと思えるほどに、女の私ですら幻惑させる彼女はいったい、いったい彼女は、彼女は、え?  「待っ」 彼女? 無いはずのものに違和感を感じてとっさに目を開く。体温が急降下していくのが分かる。蝶のタトゥーのキャンバスは、整ったシリコンの胸。骨格は男そのもの。 「ちょ、やめ」 「好物よ」 「?」 「アンタの名前、いただくわ」 胡蝶の夢の店主パーメオが女だって、誰か言った? 混濁する意識下で蝶が舞い立つ。遥か向こうで林檎をかじる音が聞こえた気がした。
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