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先生はニコニコ笑いながら、蛍斗くんとゆっくり話している。
「じゃあ、席を決めましょうか。」
丁度、私の隣は誰もいない。
皆嫌がるから。
もしかすると、隣に来てくれるかも知れない、、。
そう期待して、私は先生の次の言葉を待った。
「では、、、。三原さんの隣が丁度空いているようね。そこでいいかしら?」
先生は、私の隣ではなく、三原さんの隣にしようと言った。
三原さんは歳に似合わぬ妖艶な笑みを蛍斗くんに向けている。
三原さんの近くの男子は、皆それに夢中になってしまうほどの凄まじい威力。
あぁ、、。
三原さんは、こんな可愛いんだもん。
蛍斗くんも、、。
きっと、そっちへ行くよね。
だって、小学生の時、友達が出来そうでも、三原さんが近付いてそっと何かを耳打ち、そしたら私を無視して、三原さんの友達になって、、。
私はずっと、、、、。
いつまでも――――――。
「いいえ。」
え?
今、、?
「鈴村さんの隣がいいのですが。」
蛍斗くんは、相変わらずの無表情で先生に言った。
すると、先生は少し三原さんの方を気にしながら、焦った風に蛍斗くんを見る。
「え、本当に良いの?鈴村さんは、、。」
「でも、隣、居ませんよね。そこに座ります。」
それでも、蛍斗くんは頑固として譲らない。
「わかりました。…夏川くん、せっかく三原さんに好印象持たれるチャンスだったのに。」
私は先生がぼそっと言った言葉を聞き逃さなかった。
私と仲良くすると、、。
もしかすると、蛍斗くんは、、。
そして、蛍斗くんは隣の席に座った。
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