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出逢い
君との出逢いは、秋に入る前の夕方。
十字路の交差点。
当時の私は、何故か、斜め向こう側に居る学生服姿の君に、視線が釘付けになったんだ。
私の隣で、聞いた事のない名を口にしたのは、8歳年上の元夫。
一瞬、こっちを見た視線は鋭くて、なのに反らす事が出来ずにいた。
軽く頭を下げた君。
斜め45度に傾いた顔が脳裏に残ったのを、気にせず、すれ違う様にその場を後にした。
何も思わずいた私は、後に君が私の人生に大きく関わってくるとは想像してなかったんだ。
自分が生きるのに必死だったから……
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