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私の名前は『千明(ちあき)』、お笑い芸人になりたくて静岡の高校を卒業後、東京に上京して5年目になる。
東京ではお笑い芸人養成所に入って1年間通学し、その後フューチャープロモーションという芸能事務所に入ってピン芸人としての活動を続けている。
私はまだまだ売れない芸人で芸人としての収入が少なく親の反対を押し切って出てきてしまったこともあり、アルバイトを掛け持ちして何とか生計を立てている状態だ。
静岡の実家には、父、母、妹の3人がいて、私は高校を卒業して静岡の家を飛び出してしまった。
私はいつか芸人として食べていけるようになって、このような生活から抜け出したいと思っているけれど、なかなかうまくいかないものだ。
そんな私は、昨年と今年R1グランプリにエントリーして出場したけれど、どちらの年も1回戦で敗退してしまった。
私の芸は受け入れてもらえないものなのだろうかと悩みながら、今も芸人としての活動を続けている。
私は高校の頃から『理公(りく)』という男性とお付き合いしている。
理公は東京都内の4年制の大学に進学して今年卒業し、4月にIT系企業に就職して社会人として頑張っている。
私と違って理公は堅実な道を歩んでいて、理公と一緒にいると自分が情けなくなるときがある。
そんな私のことを理公はいつも笑顔で応援してくれていて、理公は私にとってはなくてはならない存在になっている。
高校の頃理公と私は同級生で、理公はあまり目立つ存在ではなかったけれど、高校2年生のある日理公から突然告白されて、その時の私は理公のことを気にもかけていなかったから断ってしまった。
告白されてから私は理公のことを気にするようになって、理公はクラスの男子と女子誰とでも気軽に話をしていて、誰にでも親切に接する存在だということがわかってきた。
そんな理公のことが気になる存在になっていった私は、高校3年生に進級したばかりの頃に、私のほうから告白して付き合うことになった。
高校を卒業して私は東京のお笑い芸人養成所に入り、理公は東京の4年制の大学に進学して電子工学を専攻していた。
高校を卒業してからも理公と私の付き合いは続いていて、私はお笑い芸人養成所を卒業してから東京の芸能事務所に所属し、理公は大学を卒業してから東京のIT系企業に就職した。
理公とデートで食事をするときは、たいてい理公がお金を支払ってくれていて、私は時々しかお金を払わなかった。
そんな私の経済事情を知っていた理公は、私に文句の1つも言わずに、いつも笑顔で私に食事をおごってくれた。
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