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私が高校を卒業してお笑い芸人になるために東京に上京した時、父は猛反対だった。
そんな父が、私のことを心配して毎月仕送りをしてくれていたということなのだろうか?
「おとうさんは頑固な人だけど、根は家族思いで優しい人だからね!」
母がぼそっと父のことを話してくれた。
さらに母は、
「おとうさんは、千明がお笑い芸人になることを心配して反対したと思うけれど、千明が家を出てからは千明のことを陰ながら応援していたと思うよ!」
と父の思いを代弁してくれた。
私は家を出てから父と話すことを放棄して、父とはまったく言葉を交わさなかったこの5年間の自分を反省した。
翌日父の葬儀が執り行われ、私は父の遺影の前でご焼香するときに、
(おとうさん、本当にありがとう!
そして、ごめんなさい!)
と心の中で父に語りかけた。
父の通夜と葬儀に参列し、父とお別れを告げた私は東京に戻った。
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