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今日は金曜日
明日は土曜日で、大学は休み
駒場が久しぶりの飲みに浮かれるのは分からないでもないけど
お前と飲みに行く時間があるなら、俺はあの人の家に行って飲んだ方がいい。
週末だぞ
なんでお前なんかとサシで飲みに行かないといけないんだ。
そんな事を考えながら、
〝友人と飲みに行くから、今日は家に行かない〟
という内容のラインを浅科さんに送った。
本心は、もし浅科さんが良いと言うなら泊まりにでも行きたかった。
でもあいつと飲んだら軽く日付けをまたぐのが目に見えているから、それは言わなかった。
さすがに、そんな時間に酒の匂いをさせて上がり込むのは気が引けた。
こんな気遣いをする自分を、不思議に思う。
こんな風に、誰かに気を使って行動する事なんて、今まであっただろうか。
ろくに何も考えずに、クズな事しかして来なかった気がする。
構内のフリースペースで、ソファに寄りかかって駒場を待ちながらそんな事を考えた。
ふと、スマホが震えた。
画面を見ると、浅科さんからのライン通知が表示されていた。
『了解。飲みすぎない様にな。』
そう書いてある。
あまりにもシンプルな文章に、ほんの少し複雑な気持ちが芽生えた。
それが自分でも何なのか良く分からなくて、胸の中に異物感を感じる様な気がした。
もう少しさぁ、何か無いの?
〝誰と行くのか〟とか、
そもそも〝行くな〟とか
実際そう言われたら、多分面倒くさいと思うに決まっているのに、
そんな無い物ねだりの様な事を考える自分が可笑しかった。
こんな意味無い自問自答なんか、した事なかったのに。
自分の事なのに、分からない。
もどかしさに似た焦燥の様な物を感じた。
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