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考古学者とテロリスト
爆発と閃光と猛煙と怒号が一度に襲ってきた。
どっすんばりばり、がしゃがっしゃーん!
一個当たり最低三カ月は費やした発掘の成果が百個。ガラス棚もろとも崩壊する。長さ数メートルの首長竜の化石標本が横倒しになり、砕けた肋骨が飛んできた。
「誰だね、君たちは。私が何をしたというんだね?」
惑星考古学の権威、ウッキー教授は前後左右から銃口を突きつけられ、足払いをかけられ、床に転ばされ、腕をねじり上げられた。
彼は静かな辺境のコテージで星明りを思索の灯にしていた。そこに暴力と閃光が降ってきた。出来る事なら、もっと平和的な脚光を浴びたかった。
顎にかかったブロンドの髪を鬱陶しそうにかきあげて、耳の尖った赤毛の女が答える。
「調べはついているんだよ。こいつを煽ったのはあんただろう?」
「何のことだ?」
「質問に質問で答えないで! わかったよ、もういい。やっちまいな!」
ヒステリックに彼女が叫ぶと、連れの女達は教授の口に漏斗をねじ込んだ。
化学の実験で使う円錐形に流し込み口がついた、あの漏斗に似ている。ただし、透明でなく頑丈な金属製で縁にそって小さな穴が開いており、焦げ目がついている。
「早く止めないと、こいつがあんたを殺っちまうよ?」
エルフ耳の女はねめつけるような視線で教授を睨む。
「ふがふが! だ、だから何のことだと聞いておる はぎゅ!」
しらばっくれる教授のみぞおちに女は蹴りを入れて気絶させた。
「こいつを連れていきな! 大事な賞金首だからね」
賊どもは艦に教授を押し込むと惑星ホクサイを後にした。
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