プロローグ

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「嫌だ!駄目、僕をおいてかないで××、××、何処にも行かないで」 遠くで複数の足音が聞こえる。 「いつもみたいに驚かせようとして寝たふりをしているんでしょ?  ねぇ…はやくおきてよぉ」 手の先には、満月の月光に当てられ、美しく壊れてしまった 動くことのできない2体の人形。 「ヒック…ウッ…ごめんなさっ…い、僕のせいで…ごめんなさい…」  自然と涙が止まらなくなってしまう。 何もできない無力な子供は、足音の持ち主たちが来るのを待つことしかできなかった。
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