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他の友人たちは、冷房の効くスタファの店内で待っているらしい。
「35℃もあって、暑いから。砂漠へ行ってたアンレイは平気だね」
「平気って……いや、その前にアンレイって呼ばれるの久しぶりだな。たしかに行ってたけど、訓練中ずっと砂漠だったわけじゃないし」
俺は有人ドローンの操縦士免許を取るために、海外へ行っていた時期がある。
「俺が待たせてしまったのか?」
「先生待ち。他の人は集合に遅れても、SNSで連絡取れるでしょ」
「大塚……さんの名前がなかったけど?」
「ルリはね、ちょいワケあり。じゃ、涼しいところで話そう」
アンノは俺の腕に自分の両腕を巻きつけた。
「すっごい硬い! 鍛えてるのね」
柔らかくも致命的なBOMB&BOMBを、ぐいぐい押し付けてくる攻撃だ。
「ちょい待ち。そっちはみんなと逆方向だぞ」
「いいでしょう? みんなが、いない方が」
アンノの中身はちっとも変わってない。
俺は妙なところで安心する。
結局、アンノと2人でお茶しながら待つことになった。
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