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 久しぶりに外に出てみると、初夏の清々しい風が心地よかった。公園までもう少しのところ、スーパーマーケットの前で、母が立ち止まった。 「せっかくだから、公園でお昼食べようか」  私は喜んだ。仔犬を連れて母と公園のベンチでランチなんて、最高ではないか。 「お弁当は?」 「買ってくるから、待ってて。何がいい?」 「サンドイッチとスナック」 「ジュースは?」 「アップルジュース」 「了解」  母は自分のリードを街灯にくくりつけた。 「すぐに戻るから」 「どのくらい?」 「5分で戻るわ」 「5分だね?」
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