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トラは大丈夫だとして、それ以外にも危険はあるはずだ。
「もしゾンビが襲ってきたら?」
母は少し考えると、ハンドバッグから手鏡を取り出した。
「これを使って」
「鏡を見せるの?」
「違う違う。鏡に光を反射させて、ゾンビの顔をピカピカッて照らすの」
私は手鏡を受け取った。
これでゾンビは大丈夫。だが、まだ怖いものはある。
「じゃあ、宇宙人がぼくとクロエを誘拐しようとしたら?」
「そのときはひざ小僧を見せたらいいわ」
「それだけ?」
「そう、ママを信じて」
「わかった!」
「じゃあ、ちょっと待っててね」
母はそう言うとスーパーマーケットに入って行った。
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