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俺はまた立ちあがると、ゆっくり凛久の手を引いてベッドの上に一緒に座る。両手をつないだまま見つめるが、彼はうつむいたまま浅い息を繰り返していた。
彼の自己申告を信じるなら相当慣れてるはずなのに、今はかわいそうなほどひどく緊張している。
「わかるかな? ロマンチックすぎて恥ずかしいんだけど、体だけじゃなくて心も満たされたいって言うか……『俺は凛久を愛してるって』思いっきり君を可愛がりたいんだけど……」
うつむく凛久の顔をのぞきこむと、彼はたっぷり時間をとったあと、真っ赤な顔でこくりとうなずいた。
「……わかる」
「じゃあ、いい?」
「……いい」
戸惑い恥ずかしがりながらも受け入れてくれた凛久が嬉しくて、俺は溶けるほどの笑顔になる。
「さっそくいくよ?」
俺は跳ねるように膝を進めると、ゆっくり凛久の耳元に唇を寄せる。そして、吐息が触れる距離で言った。
「凛久、好きだよ」
言ったとたん、凛久の胸が大きく上下した。
「アぁ……っ…………」
彼はまるで、絶頂に達してでもいるみたいに体をよじり、頬を紅潮させていた。閉じた目にかかるまつ毛は震え、ぽかりと開いた口から熱い息を吐き出していた。
予想以上の反応に、俺の体もカッと興奮で熱をあげる。
本当は内心不安に思っていた。『満足させる自信がある』とは言ったものの、エッチがすごいと言われたことなどない。いまだかつてない。何も根拠はなかった。
だけど、好きな人と抱き合う幸せを、絶対に凛久にも知って欲しかった。心が触れ合うような体のつながりを、俺も凛久としてみたかった。
「凛久、かわいい。本当は弁当屋でお前と話しながら、ベッドの上でどんな風になるのか知りたいって……思ってた……」
言いながら彼のシャツのボタンを外す。あらわれた肌は、シャングリ=ラで見たのと同じ、白く滑るような質感で俺を誘う。立ち上がった胸の飾りはぽってりと赤く主張していて、男に慣れた様子が俺の嫉妬を煽った。
血の色が透けた首元に唇を落し、しっとりとした感触を味わいながらいたる所に口づけをおとす。その間にも俺は、絶えず惜しむことなく「好きだ」と言い続けていた。凛久の耳からも、触れている体からも、教えこんで刷りこむように。
凛久の体はそうして言葉をおとすたび、緊張がとけ、ほどけていくのが良くわかった。俺の愛撫にだんだんと夢中になっていく。
下に滑らせた手に触れる彼の性器は、もう限界まで立ちあがって、窮屈そうにズボンを押しあげていた。ボタンを開けて解放してやると飛び出してきたそれを、優しく握る。
「あぁんッ」
凛久が高く鳴いた。身をよじって逃げようとする彼の肩を逆の手で抱き、耳元にもっと吹きこむ。
「ちゃんと上手に感じてる。ほら、こんなになって……俺が欲しいって言ってるんだよな」
「もう、つらい……いれてよ……」
擦りあげるたびにビクビクと腰の辺りをわななかせ、俺の手を力の入らない手でおさえる凛久は壮絶に色っぽい。
俺はさっきからあてられっぱなしで、もう彼が子供だからとは、到底言えなかった。
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